月灯りの下
闇の世界に差し込む光を追い求めて
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09/カケラ
優しさの欠片を私の手のひらに落としてくれた、あの日から
私は初めて優しさというものを知った。
初めて手にした優しさは、暖かくて、くすぐったくて
そして、すぐに壊してしまいそうなくらい脆くて
壊してしまいたくなかった私は、大事に大事に、手のひらにその欠片を収めた。
そんな私を見て、あなたは笑った。
「そんなに必死に掴んでなくても、これからも傍にいてあげるよ」
(優しさを知らない私でも)
(あなたがくれる、優しさの欠片を集めれば)
(私も優しさというものを)
(いつか知ることができるのでしょうか――――――?)
私は初めて優しさというものを知った。
初めて手にした優しさは、暖かくて、くすぐったくて
そして、すぐに壊してしまいそうなくらい脆くて
壊してしまいたくなかった私は、大事に大事に、手のひらにその欠片を収めた。
そんな私を見て、あなたは笑った。
「そんなに必死に掴んでなくても、これからも傍にいてあげるよ」
お題『09/カケラ』
(優しさを知らない私でも)
(あなたがくれる、優しさの欠片を集めれば)
(私も優しさというものを)
(いつか知ることができるのでしょうか――――――?)
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臆病者
ひとりで泣いている君にひとりで泣いててほしくなくて
手を差し出したのに、不安になる
僕がこんなことしてもいいのか、と
だから僕は中途半端にしか手を差し出せなくて
嗚呼、それは何て残酷なんだろう
わかっているのに、僕の手は躊躇し彷徨ったまま
嗚呼、なんて僕は臆病者なんだろう
手を差し出したのに、不安になる
僕がこんなことしてもいいのか、と
だから僕は中途半端にしか手を差し出せなくて
嗚呼、それは何て残酷なんだろう
わかっているのに、僕の手は躊躇し彷徨ったまま
嗚呼、なんて僕は臆病者なんだろう
ようするに
今日はとってもいい天気だ。
いつも暗い場所にいるためか、眩しさをより感じる気がする。
最近涼しくなってきたため上着を持ってきたが、どうやら邪魔になってしまったようだ。
今は腕に掛けているが、どこかに置き去りにしたいぐらい邪魔だ。
職業柄、邪魔なものはすぐにでも切り捨てたくなるのが私の悪い癖。
「あ~、こっちこっち!」
私は声がした方へと顔を向ける。
瞳に映るのは、私を呼び出した友人が手を振って呼んでいる姿。
少し足早に、通り沿いにあるカフェのパラソルの下へと歩み寄った。
『お待たせ。待ちました?』
「んーん、大丈夫大丈夫。第一私が急に呼び出したんだから、気にしない気にしない」
私が椅子に腰掛けると、笑顔で女性店員が注文を取りに来る。
私はエスプレッソとケーキを注文し、去っていく店員の背中を見送ってから友人に視線を向ける。
『で?話しっていうのは何ですか?』
この友人とは昔からの付き合いだが、最近は全く会っていない。
まぁ、電話ではよく話す……おそらく、私の生存確認も含めてだと思うのだが。
昨日も電話がかかってきたのまではいつもと同じ。
しかし、会いたいと言ってきたのはいつもと違った。
「じ、実は……」
『実は?』
神妙な顔で口にしていたコーヒーカップを皿に戻す友人を見て、こちらも少しばかり緊張する。
ひょっとすると、依頼だろうか?
「実は、
私の彼が浮気してるかもしれないのよッ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『……は?』
「だ・か・ら~!私の彼がね、浮気してるのかもしれないの!!この間―――――」
友人によると、2年間付き合っていた彼が、この間知らない女性と歩いているところをたまたま偶然うっかり見てしまったらしい。
何だそんなことかと溜息が出てしまう。
さっきまでの私のほのかな緊張を返してほしい。
よくよく考えれば、彼女が私に依頼してくるのはありえないことだ。
だって彼女は私が怪我をしたと知ると、いつも仕事を辞めるよう説得してくるんだから。
ここでようやく私のケーキとコーヒーがやってきた。
彼女の愚痴は止まらない。
まだ彼氏の愚痴をケーキをつつきながらも続けている。
嗚呼、気付かなかった私がバカなのか、とまたも溜息が出てくる。
今日は依頼は無かったから、昨日使った弾薬やら新しいナイフやらを見て回りたかったのに。
……あ、毒ももう少しでなくなりそうだったんだ。
まぁ、そういった専門店は1日中やってるし、私なら融通利くから何とかなるかな。
そんな物騒なことを考えながら、私はコーヒーを口に運んだ。
「―――――それで……って、ねえ、私の話聴いてる?」
『聴いてますよ。ようするに―――――』
(しょうがないんで、ここのケーキとコーヒー代+友達割引で報酬は―――)
(違う、違うから!!何でそうなるのよ!?)
(あの話の流れからすればそれしかないなと)
(私はただ、彼が本当に浮気してるか確かめて欲しいだけなの!!それに、そういう事を真顔で言わない!)
(いや、私は真面目に言ってるんですが。それに、私の職業は"殺し屋"です。そういう事は"探偵屋"にでも頼んでください)
いつも暗い場所にいるためか、眩しさをより感じる気がする。
最近涼しくなってきたため上着を持ってきたが、どうやら邪魔になってしまったようだ。
今は腕に掛けているが、どこかに置き去りにしたいぐらい邪魔だ。
職業柄、邪魔なものはすぐにでも切り捨てたくなるのが私の悪い癖。
「あ~、こっちこっち!」
私は声がした方へと顔を向ける。
瞳に映るのは、私を呼び出した友人が手を振って呼んでいる姿。
少し足早に、通り沿いにあるカフェのパラソルの下へと歩み寄った。
『お待たせ。待ちました?』
「んーん、大丈夫大丈夫。第一私が急に呼び出したんだから、気にしない気にしない」
私が椅子に腰掛けると、笑顔で女性店員が注文を取りに来る。
私はエスプレッソとケーキを注文し、去っていく店員の背中を見送ってから友人に視線を向ける。
『で?話しっていうのは何ですか?』
この友人とは昔からの付き合いだが、最近は全く会っていない。
まぁ、電話ではよく話す……おそらく、私の生存確認も含めてだと思うのだが。
昨日も電話がかかってきたのまではいつもと同じ。
しかし、会いたいと言ってきたのはいつもと違った。
「じ、実は……」
『実は?』
神妙な顔で口にしていたコーヒーカップを皿に戻す友人を見て、こちらも少しばかり緊張する。
ひょっとすると、依頼だろうか?
「実は、
私の彼が浮気してるかもしれないのよッ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『……は?』
「だ・か・ら~!私の彼がね、浮気してるのかもしれないの!!この間―――――」
友人によると、2年間付き合っていた彼が、この間知らない女性と歩いているところをたまたま偶然うっかり見てしまったらしい。
何だそんなことかと溜息が出てしまう。
さっきまでの私のほのかな緊張を返してほしい。
よくよく考えれば、彼女が私に依頼してくるのはありえないことだ。
だって彼女は私が怪我をしたと知ると、いつも仕事を辞めるよう説得してくるんだから。
ここでようやく私のケーキとコーヒーがやってきた。
彼女の愚痴は止まらない。
まだ彼氏の愚痴をケーキをつつきながらも続けている。
嗚呼、気付かなかった私がバカなのか、とまたも溜息が出てくる。
今日は依頼は無かったから、昨日使った弾薬やら新しいナイフやらを見て回りたかったのに。
……あ、毒ももう少しでなくなりそうだったんだ。
まぁ、そういった専門店は1日中やってるし、私なら融通利くから何とかなるかな。
そんな物騒なことを考えながら、私はコーヒーを口に運んだ。
「―――――それで……って、ねえ、私の話聴いてる?」
『聴いてますよ。ようするに―――――』
殺してしまえばいいんでしょう?
(しょうがないんで、ここのケーキとコーヒー代+友達割引で報酬は―――)
(違う、違うから!!何でそうなるのよ!?)
(あの話の流れからすればそれしかないなと)
(私はただ、彼が本当に浮気してるか確かめて欲しいだけなの!!それに、そういう事を真顔で言わない!)
(いや、私は真面目に言ってるんですが。それに、私の職業は"殺し屋"です。そういう事は"探偵屋"にでも頼んでください)
おもいで
思い出という名の記録を見返してみても、
一番最初に出てくるのは、嫌な記録や自分の顔、気持ちさえ曖昧な記録ばかり。
それでも見返してしまうのは、
綺麗な記録もあるからで。
あなたのあの時の顔は、モノクロ調の思い出の中でも色鮮やかで
今でもあなたが笑った顔は忘れられなくて
今でもあなたと過ごしてきた日々は煌いていて
でも、それが時には眩しすぎて辛く思うときもあるけど、
私にとっては、大切な大切な、思い出――――――
それは、きっと、これからもずっと変わらないと思うから
私はこれからも、この記録を大事に大事に思い出にしておくのだ。
(だからこれからも、私と一緒に思い出を共有してくれませんか?)
一番最初に出てくるのは、嫌な記録や自分の顔、気持ちさえ曖昧な記録ばかり。
それでも見返してしまうのは、
綺麗な記録もあるからで。
あなたのあの時の顔は、モノクロ調の思い出の中でも色鮮やかで
今でもあなたが笑った顔は忘れられなくて
今でもあなたと過ごしてきた日々は煌いていて
でも、それが時には眩しすぎて辛く思うときもあるけど、
私にとっては、大切な大切な、思い出――――――
それは、きっと、これからもずっと変わらないと思うから
私はこれからも、この記録を大事に大事に思い出にしておくのだ。
(だからこれからも、私と一緒に思い出を共有してくれませんか?)
お題『08/おもいで』
見えない先、見えそうな明日
将来をどうするか、決めなくちゃいけないことはわかってる。
わかってる、けど、だからって、
どうすればいいんだ
さき
未来のことなんてわからない。
いつも目先のことに集中してやってきた。
目先のことができないのに、この未来のことなんて考えられない。
今までそうやってきたんだから。
だから俺は、未来のことをどうこう考えて動けるような、そんな器用な人間じゃないんだ。
見えない未来から目を逸らして、耳を塞いで、
逃げてるなんて言われたらそれまでだけど、
でもそれって、未来のことも考えられる器用な人間だから言えることだろ?
そう言える奴らが羨ましい。
(だって俺は、怖いから)
(先の見えない未来が怖い)
(明日へ踏み出すのだって、必死なのに)
わかってる、けど、だからって、
どうすればいいんだ
さき
未来のことなんてわからない。
いつも目先のことに集中してやってきた。
目先のことができないのに、この未来のことなんて考えられない。
今までそうやってきたんだから。
だから俺は、未来のことをどうこう考えて動けるような、そんな器用な人間じゃないんだ。
見えない未来から目を逸らして、耳を塞いで、
逃げてるなんて言われたらそれまでだけど、
でもそれって、未来のことも考えられる器用な人間だから言えることだろ?
そう言える奴らが羨ましい。
(だって俺は、怖いから)
(先の見えない未来が怖い)
(明日へ踏み出すのだって、必死なのに)
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