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月灯りの下

闇の世界に差し込む光を追い求めて

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それもこれも君を好きなせい

彼女と同じクラスになったのは高校1年の時。第一印象は目立たない真面目な大人しい子。そして頭もいい子だった。でも3学期に入った頃だったろうか。彼女はあまり来なくなった。頭がいいのに、変な子だと思った。
 文化祭、俺はクラスリーダーになってしまった。しかし、皆準備作業を嫌って手伝わなかった。俺だって夏休みを潰してまでやりたくはない。それなのに、彼女はちゃんときて手伝ってくれた。

「嫌じゃないの?」

 そう訊くと、

『別に、嫌じゃない。嫌って思うと嫌な事になるから、嫌じゃない。それに、一人じゃないから』

 そう言った。
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黒宮騎暖という少女

『やっぱり昨日のアンタだったのか。聞き覚えがある声だと思ったんだ』
「き、君が……」

 突き抜けるような青空の下。
 目の前に佇む一人の生徒は、間違いなく女の子で。

「黒宮騎暖……ちゃん……?」

 間違いなく、昨日のバカみたいに強い少年だった。

夕暮れのデアイ

夕方が染める町、買い物客や会社帰りの人たちで賑わっている商店街。

「学校か~。何年振りかね~」

 一人の男が特に目的もなく、明日から通うことになる学校があるこの町をぶらぶらと散策していた。

本の読み方

本を読むのは、昔から好きだった。
 何で好きだったのかは分からない。
 けれど、好きな理由は多分、そう。

                こ こ
 本を読んでいる間だけは、自分は現実には存在していないから。
 現実のことを忘れていられる。
 それだからこそ、没頭できた。

 居るのは目の前に広がる文字の世界の中。

 読んでいる間だけの、仮初の世界。
 それだけが救いだったんだ。

 でも、今は――――――。

Q.今年の抱負はなんですか?-モノ彩編-

「今年の抱負か~。そんなこと全然意識しないから考えてもなかったな~。騎暖は何かある?」

『……ある』

「え、あるの!?何?」

『図書室の本を網羅』

「………………」

『特にミステリを重点的に』

「………あのさ、騎暖。それってもう授業放棄してない?」

『放棄というか、極力出ないという予告?』

「犯行声明はいいから出てよ!出ようよ!成績に響くよ?先生だって困っているし」

『先生はどうでもいいよ』

「気の毒だよ。……あ、そうだ。じゃあ僕の豊富は、騎先和親条約を結ぶことにしよう」

『は?何だそれ』

「日米和親条約の騎暖と先生バージョン]

                    かりや
『仲良くしてる先生ならいるじゃん。司書の雁谷先生』

「あのね、騎暖。僕が言ってるのは主に担任の先生の話しだよ」

『そっちはいいよ』

「全然良くないからね」

『いいよ。だって、拓人がうまくやってくれてるんだろ?』

「………」

これは信頼されていると取っていいんだろうか……?

『それに……許せる人間は多くいらない。お前と先生だけで十分だ』

「………………」

それは、"気を許せる"ということだろうか?

訊いてみたかったけど、新年ん早々、有頂天になった僕にそんな余裕はなかった。




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新年、明けましておめでとうございます!
お正月ということで番外編という形で、ほぼ会話のみの短編を上げました。
ほかの話も同じタイトルで短編を書いていきたいと思います。
目指せ、1日1話!!


去年はお世話になりました。
足を運んでくださっている方、本当にありがとうございました!
今年も頻繁にアップする!という明言はできませんが、なるべくアップしたいし、
去年よりは多く!とは思っていますので、
どうぞ今年も、よろしくお願いいたします!

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