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月灯りの下

闇の世界に差し込む光を追い求めて

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只今、捜査権争い中!(事件編)

「おはようございまーす」
『おはよう、秋木くん』
                                            俺の仕事場の扉をくぐると、そこには自分の席で新聞を広げている俺の上司・水成詩夢がいた。
いつもは読んでいるとしたら文庫本なのだが今日は違った。
その原因は昨夜にある。

「昨日の地震すごかったっスね。先輩の方は大丈夫でしたか?」
『ほんと、久しぶりだったわね、あんな地震。私の方は長い間気持ち悪い揺れが続いただけだったから、被害はないわ。秋木くんの方は大丈夫だったの?』
「こっちもまあ、なんとか。弟が大騒ぎでしたがね」
『まあ、無事でよかったわ』

そう、昨夜起きた地震。夜の10時頃だったか。
ここら辺は、被害は全くと言っていいほどないが、震源地近くでは死傷者も出ているらしい。
メディアによって色々な情報が錯綜しすぎているせいで、被害がしっかりと把握できていない部分はあるが、うちの警備部からも応援が出ている。

「俺たちに応援要請は?」
『今のところ、ないわ。向こうの被害とかもしっかり把握できていない状況だしね』
「ということは、今のところ仕事はなしってことですか」
『ま、今のところはね』

ここでタイミングよく、電話が鳴った。
俺は上着を脱いでいたため、先輩が受話器へと手を伸ばした。

『はい、警視庁特使捜査課……あら、橋さん。おはようございます』

"橋さん"というのは、捜査第一課の強盗犯捜査係の橋谷巡査部長のことだろう。
この人は、人の名前を略して呼ぶ。理由としては、本人曰く『"山さん"的な雰囲気が何かかっこいいでしょ』らしい。
どうやら警備部よりも先に、違う事件に駆りだされるようだ。


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動揺

俺は夢をみるのが好きだった。
単調な日常、醜い人間、彩鮮やかなで遠い世界、そして、歪んだ自分
そんな詰まらない雑多なものよりも、夢を見ている方がよっぽどよかった。
ただ、それだけが、俺をこの世界に留まらせていた。




「黒宮さん、一緒に帰ってもいいかな」
『またお前か』

最近、よく俺の周りをうろちょろするようになった、この男。
確かに、俺は初めてこいつとまともに話した屋上で、「僕もこれからここに来てもいいかな?」と訊かれて、『別に、俺の邪魔じゃなければ構わない』と答えた。
何でそう答えたのかは自分の事ながら全くの謎だ。
まあ、たとえ気まぐれだったとしても、確かにそう言ったことは認める。
が、いつでも付き纏っていいとは言ってない。

『お前、何で俺に構うんだ』
「"お前"って……黒宮さん、いつになったら僕の名前、呼んでくれるの?……迷惑だった?」
『…………』

言ってはいない、が。
迷惑じゃないから余計に困っているのだ。
落ち着かないのに迷惑じゃないってどういうことだ?
嗚呼、調子が悪い。

『……俺はひとりでいる方が好きだ』
「うん、知ってる。だって、いつもひとりでいるもんね、でも――――――」
『なら構うな。お前だって人付き合いってもんがあるだろ。俺と関わっててもいいことなんてないぜ』
「大丈夫、ちゃんと他の友達とも交流あるから。それにね、さっきも言おうとしたんだけど――――」
「おい、黒宮騎暖」
『………』
「ん?」

今度は俺じゃなく、違う奴の声がクラスメイトの言葉を遮った。
遮った主は、俺達の目の前、校門脇を陣取っているグループのリーダー格であろう男。
校門前じゃないだけ控えめな奴らだ。
……誰だろ、こいつら。

「今帰りか?」
『今の時間と俺が向かっている先にあるものとを総合して考えれば、必然的にそうなるだろうな』
「チッ、一々回りくどい言い方しやがる野郎だな。隣の奴は何だ、お前の男か?」

取り巻き共が下品に笑う。
鬱陶しいことこの上ない。

「僕は――――――」
『まさか。だとしても、お前には関係ないだろ。さっさと用件を言え。わざわざ挨拶するために呼び止めたわけじゃないだろ?』

またクラスメイトの言葉を遮ってやった。
これ以上首を突っ込まれたくない。
だって俺のいる世界は、

「こないだのお礼をしにきたに決まってるだろ?」
『お礼?お前たちのことは全然覚えてないけど』
「テメェ……ッ!!」
『ま、どうしてもって言うなら、付き合ってやらないこともないよ』
「上等だ!!付き合ってもらおうじゃァねェか!!」

こういう世界。
これで落ち着いた、事が終わった後にはいつも通りの世界に戻れるはずだ。
きっと……

「どこがいい?校舎裏か、公園か。お前のお気に入りの屋上でも――――――」
「ストップ」
『!』
「あぁ?」

俺に手を伸ばしてきていた男の手首を掴み、俺と男の間に体を滑り込ませてきたクラスメイト。

『ちょ、何』
「悪いけど、ちょっと黙ってて」

何でコイツはいきなり邪魔をしといて俺に命令してんだ。
手首を掴まれた男は、その手を振りほどき怒鳴りつける。

「テメェ、何しやがる!邪魔すんじゃねェッ!!」
「最初に僕の言葉を遮って邪魔したのはそっちだよ。それに、いくら強いからって、女の子に男が束になって喧嘩を挑むのはどうかと思うんだけど」

恥ずかしくない?と相手を挑発する。
……コイツ、俺の代わりに喧嘩する気なのか?

「ンだとテメェッ!!」
「いい気になってんじゃねェぞ!!」
「テメェもついでにやってやろうかァッ!?」

「悪いけど、僕は彼女と帰る約束したんだから、」

今度は成り行きを眺めていた俺の手首を掴み、

「帰らせてもらうよ」

走り出した。

「あ、待ちやがれ!!」

連中はもうここで喧嘩をするつもりでいたため、走り出した俺達への対応が遅れた。
そんな中、クラスメイトはうまいこと連中の間を通り抜け、校門をくぐった。
こうして、不本意ながら俺はこの状況から脱出することに成功した。

男の背中って、こんなに大きいのか。
なんてことを、ふと思った。


*          *          *


コイツ、案外足早いんだな。
なんて思いながら、俺は手を引かれながら走る。
クラスメイトはいきなり道を曲がり、更にその道の脇に入り、壁に寄り添った。
追い掛けてきた連中は、お決まりの台詞を吐きながら走り去っていく。

「うまくやり過ごせたみたいだね」
『……手』
「へ?あ、ごめん!!痛かった?」

男は掴んでいた手を離し、慌てふためいている。
別に痛かったわけじゃない。でも、なんか嫌だっただけで。
――――――というか、なんで、コイツを見ていると、

『……なんで、間に入った?』
「え」
『何で、ほかっといてくれないんだ!』

こんなにもイラつくんだ。

『お前に助けられなくたって、俺はあんな奴ら片付けられた!逃げなくたって平気だった!お前がいなくたって、俺は……』
「うん、わかってる。でも、僕が守りたかったんだ。君を」
『は?"守る"……?』
「さっきから言おうとして遮られてるんだけどね、僕が君と一緒にいたいんだ。だって、君は僕の友達じゃないか」
『と、もだち?一緒にいたい?』
「うん」
『な、んで……?』
「うーん、それを訊かれると困るんだけど、ね」
『?』
「初めて会った屋上でも、言っただろ?好きだから、かな」
『……は?』
「だーかーらー、黒宮さんのことが好きだからだよ」

うん、とかひとりで頷いて勝手に納得してるというか、満足してる。
ちょっと待て。
わけがわからない。
確かに屋上でも「惹かれた」とは言われた。言われた、けど。
何故そうなる?
何故コイツはこんな満足げなんだ?
何故、俺はこんなにもむず痒い気分なんだ?

「あれ、黒宮さん顔真っ赤だよ?」
『~~~ッ、誰のせいだと思ってッ!!』
「はは、かわいい」
『かッ!?……もういい、勝手にしろ』
「え、ちょっと、黒宮さん!?」

俺はコイツを放置することに決め、細い道から出た。
そのまま、さっき走ってきた道を辿る。
コイツに付き合っていたらこっちまでおかしくなりそうだ。

「ちょっと、待ってよ!黒宮さん。一緒に帰るって約束だったでしょ」
『そんな約束した覚えはない』

俺はそこまで言うと立ち止まる。
おっと、と言って後ろで立ち止まる男。
――――――だから、

『"黒宮さん"は止めろ』
「え?」

俺は夢をみるのが好きだった。

『騎暖でいい。』
「え、じゃあ……騎暖、さん?騎暖、ちゃん?」

単調な日常、醜い人間、彩鮮やかなで遠い世界、そして、歪んだ自分、

『何照れてるんだ、お前』
「いや、だってなんか恋人みたいっていうか……」
『は?』

そんな詰まらない雑多なものよりも、夢を見ている方がよっぽどよかった。

『馬鹿じゃないのか……拓人は』
「――――――は、い、え、今、僕の名前、初めて……」
『後ろに何も付けなくていい。俺も、そう呼ぶから』

ただ、それだけが、俺をこの世界に留まらせていた。
はずだったのに。

『いいな!わかったな!』
「うん、騎暖!」

こんな、ことで。

「騎暖!ねえ、騎暖!もう一回僕の名前呼んでよ!騎暖!」
『名前を連呼するな!!』

名前を呼ばれ、傍にいられただけで。

「いいじゃない、別に。だから騎暖も!」
『意味わかんねェ!!』

単調な日常は調子を乱し、醜い人間が少しマシに見え、彩鮮やかなで遠い世界に少し近付けた気がした。
俺は歪んだままだけど。

こんな世界も、悪くないのかもしれない。
そう思えたのきっと。

「ちょっと待ってよ、騎暖!」
『待たない!!』

お前のせいだ。




テスト前の誘惑にはご用心!

「ん~っ、やっとテストから解放された~!!これでやっとゲームできる~!!」
『"やっとゲームできる"って、どうせ休憩とかなんとか言って、テスト勉強よりもゲームやってたんじゃねェの?』
「なんで判ったんだよ!?お前エスパー!?」
『図星かよ』
「そんなことより、エスパー嵐。これから俺の家でゲームしないかい?」
『その呼び方やめろ、イラつく。お前が判りやすいだけ』

俺は、友達の嵐と共に校舎の外へと出た。
今日は天気もよくて温かい。
テストからようやく解放されたためか、清々しさも一塩だ。

『一塩じゃなくて、一入だ』
「やっぱエスパー!?」
『いや、だから、お前が判りやすいだけだっつってんだろ』

いやいや、聞いただけで漢字の違いが判るなんてエスパー以外の何者でもねーよ。

『その様子だと、お前テストも相当ヤバイんじゃねェの?』
ヤバイことが否定できないことは哀しいが、相当まで付けちゃう?いや、確かに全教科、棺桶に腰まで浸かってる感じだけども、現国は自信あるんだって!!」
『ほぉ~』

うわ、むっちゃ疑いの眼差し……!!
そして、嵐は鞄からファイルを取り出し、その中から現国の問題用紙を引っ張り出した。

「ちゃんとファイルに入れてるなんて流石……」
『流石じゃねェよ。当然のことだろ。お前はどんっだけダメなんだ』
「そこまで言いますか!」
『言う。むしろ言うしかねェ。じゃあ手始めに、これは?』

カタカナを漢字になおしなさい。
<彼は少し自意識カジョウだ。>

「お、これは書いたぞ。加えるにー、乗るの横に何か2本突き刺さってるやつ」
……加剰?
「そうそう、それ!」
『あー、雰囲気的には近すぎず遠からず、なのか……?』
「お、ツッコミにキレが無いじゃないか、嵐くんよ~。やっぱあってんだろ!な!な!」
『加えるじゃなくて過ぎるだ』
「ん?というと?」
『間違えてる、しかもものっそいツッコミにくいボケで』
「……何かすんません」
『……何が』
「いや、ツッコミにくいボケで突っ込み殺ししちゃって」
いらん気ィ回すな!!

おもっきし頭を叩かれた。
イタイ。
体も、心も……。

『じゃあこれは』

<親身にカンジャの手当てをする。>

「こ、これも書いたぞ!!看護婦さんの看に者!どうだ!」
『……お前さ、雰囲気だけで漢字書けると思ってね?』
「まさかの?」
『まさかの。病気を患うって漢字』
「???」
『ハァ、四角二つを棒で貫いて、下に心を付けたやつだ』
「ああ!!それか!!」
『それだ』
「…………」
『…………』

お、おっかしーなぁ。あれ、俺ってこんなに漢字できなかったっけ?
そうだ!

「読みは!?読みは大丈夫!!うん!」
『読みって、書くよりも難しい漢字出たぞ』
「大丈夫だ、きっと」
『じゃあ、これ』

" "の中の読みを答えなさい。
<津波が発生する"虞"がある。>

「トラ!!」
『は?』
「トラ!!干支じゃない方の!」
『お前全文読んでるか?"津波が発生するトラがある"ってどういうことだよ』

…………。

ひ、冷ややかな目!!
ものっそい冷ややかな目!!
確かに、そんな初歩的なミスをしてしまったが……てか、俺よくよく考えたらそんなんばっかかも!!
と、兎に角、なんとか誤魔化すんだ!!この空気は嫌だ!!

「ほ、ほら!動物のトラじゃなくて、どっか場所の名前だよ!愛称的な!」
『海』
「……はい」
『苦しいし、見苦しい』
「ですよね~」
…………
…………
『じゃあ、これは』

<"春宵"一刻値千金。>

「はる、よ」
『全文読むと?』
「は、はるよいっこくあたいせんきん」
『意味がわからん』
「春代、いっこく、アタイ、せんキン」
『は?』
「春代といっこく堂に、アタイが何かしないと宣言してんの」
『……キンは?』
「どっかの方言、かな。うん」
『無茶だな、色々と』
「ですよねー」

恥ずかしい……!!むっちゃ恥ずかしい!!
だってここ、学校の外よ!?
ちょ、誰も聞いてない!?誰も聞いてないよね!?
ああ、もう早くゲームしたい!ゲームしてテストの事を忘れたい!!


テスト前の誘惑にはご用心!



(お前、よく現国得意って豪語できたな)
(うるさい!言うな!!恥ずかしくて死んじゃうだろォッ!!)
(それでも懲りずにゲームしようとするのか、お前は。少しは誘惑に抵抗しろよ)
(だーから、人の心を勝手に読むんじゃねェッ!!プライバシーの進害禁止!!)
(進害って、まあながち間違いではないが、どんだけ積極的に害されてんだ。侵害だ、侵害)
(…………。)

Why...

どうして、
大好きな場所が変わらず、そこにあると思っていたのだろう。


どうして、
あの人たちが、変わらずにいると思っていたのだろう。


どうして、
このままでいられるなんて、思っていたのだろう。



本当は感じていたはずなのに、
漂う空気がどこか様子がおかしいことを。


本当はそんな気がしていたのに、
このままではいられないんじゃないか、って。


本当は知っていたはずなのに、
大切だった、当たり前の景色が広がる場所が突如崩れ去ることを。



ただ、
失うのが怖くって、
もうあんな哀しい思いするのは嫌で、
何も出来ない自分に苛立ちたくなくて、
結局自分を守りたくて、
ずっと目を逸らしてた。



なんにでも、
表と裏、
光と影、
そんなニ面性があることも知っていた。

その裏や影から目を背けることができないことも、
逸らすことがいいことだとも思わない。

知らなかったほうが幸せだったのかはわからない。
でも、知らないままのほうがよかったのは確かで。



ねえ、



どうして、
人は時の波に抗うことができないのだろうね……?

分岐点

1.モノクロ世界彩るセカイ(元・俺×僕シリーズ)
  色が無いモノクロ世界に生きてきた少女は、少年と出会い色を知っていく。
  2人で彩る世界が始まる。
  
  主成分:ほのぼの
  副成分:シリアス、甘

  くろみや きの 
 ○黒宮 騎暖
  『俺は、独りが当たり前だと思ってた。これからもそうだと思ってたし、
   それでも平気だった。――――――お前が現れるまでは』

  人嫌いで、口が悪くて、喧嘩っ早い、感情表現苦手な女の子。
  "喧嘩っ早い"というのは伊達ではなく、かなり強い。
  しかし、喧嘩は専ら売られる側。
  授業をサボって屋上に出没することが多い。

  ときざき たくと 
 ○時崎 拓人
  「僕は守りたいんだ、傷だらけの君を。君を傷つけるものから。
   だから僕は君の傍にいたい。
   ――――――これは僕の自己満足で、つまり君が好きだって事」

  人付き合いは人並みにある、普通な男の子。
  黒宮騎暖に一目惚れしてから、彼女と行動を共にすることが多くなり、
  騎暖の扱いに困っている教師からも結構頼られていたりする。
  事あるごとに騎暖に歯の浮くようなクサイ台詞を投げかけるが、
  騎暖には相手にされない。
  それでもへこたれない結構強い子。


2.study!(元・俺×俺シリーズ)
  人生が狂ってしまった少年と、底抜けに明るい年相応の少年が出会う。
  色々な事を一緒に見て、識って、学んで、一緒に成長していこう。

  主成分:ギャグ
  副成分:シリアス、ほのぼの

  あきぎ かい 
 ○秋木 海
  「俺、昔、ゲームの中の勇者になるのが夢だったんだ。
   ぶっちゃけ、今でもちょっとなれたらな~、って思ってる」

  ゲーム大好き、勉強嫌いの、よく言うとお調子者ムードメーカー。悪く言うとバカ。
  両親は只今共働きにつき、結構好き勝手(ゲームとか)している模様。
  +αで兄が一人。
  ボケ担当だが、夜凪嵐の毒ツッコミに涙することも。

  よなぎ らん 
 ○夜凪 嵐
  『そうか、俺は今すぐお前と知り合いという事実をリセットしたい』

  優等生だが人付き合いを避けたがる、子どもらしさゼロのよく言えばクールっ子。
  悪く言うと無愛想。女顔であることがコンプレックス。暴れます。
  ツッコミ担当だが、毒が多く含まれている。
  被害者は専ら(というかほとんど)海が請け負っている。


3.夜を彷徨う血濡れのアリス
  アリスは知りたい、生まれた意味を。
  アリスは探す、生きる理由を。
  迷い込んだその道は、死臭漂う血濡れ道。
  それでもアリスは進み続ける。
  骸が彼女の道標。
  己が身がアカク染まろうと、止める事なんてできなかった。

  主成分:シリアス、グロ
  副成分:ほのぼの

 ○アイリス(本名:アリス) 通称:Bloody Fairy(血濡れた妖精)
  『生と死は所詮、紙一重。だから私は死を見続けるんです。
   そうすればいつか、"生"が見つかるはずだから』

  依頼を受け、そのターゲットの身近に潜り込み、
  その者に相応しい死を届ける冷徹な殺し屋。
  かなり凄腕で、自分が殺ったという証拠は一切残さない。
  情報屋が全く情報を掴めないほどの謎多き人物。
  通り名である「Bloody Fairy」は情報屋が勝手に命名。

 ○シエナ・アトリー
  「あの子はただの迷子なの。ただ、抜け出したい一心で、もがいている。
   それを止めることは、今の私じゃ無理なんだと思う。
   だから、せめて傍にいたいの。危うい彼女の救いに、いつかはなれるように」

  アイリスの本名を知り、かつ、呼ぶことができる彼女の唯一の友人。
  アリスに殺し屋の仕事を辞めさせたいと思っているが、
  今のところその話は流されっぱなし。
  それでも、少しでも彼女が普通の生活を送れるように、傍にいようと心に決めている。

 ・virus(ウィルス)
  表でも裏でも有名な情報屋。アイリスに何かとちょっかいを出す元取引相手。
  アリスに興味を持っているため、独自に彼女の周りを嗅ぎ回っているが、
  今のところ収穫はゼロの様子。
  その男が情報を手にしようとしたが最後、いつの間にかその情報は犯されており、
  その情報の持ち主が気付くのは、目に見えたダメージが来た時で、潜伏期間を経て
  姿を現すウィルスに喩えられて、その通り名が付いている。

 ・God-sent child of wind(風の申し子)
  最近、巷で有名な怪盗屋。
  いくら戸締りをしようと、鍵をつけようと、警備をつけようと、
  風のように入り込み、気付かれないまま盗み、風のように捕まえることができずに
  去っていくため、この通り名が付けられた。
  が、本当はかなりの目立ちたがり屋。
  盗みに入った家には、タロットカードを残していく。
  

4.警視庁特使捜査課
  警察の仕事は、部署ごとに一課、二課、というように、
  事件の種類によって課が分かれています。
  が、この人にかかればなんでも来い!!な先輩に、
  新米刑事、付いていくことになりました。
  ……死んだらどうしよう。

  主成分:ギャグ
  副成分:ほのぼの

  みずなり しおん
 ○水成 詩夢
  『警察の仕事は悪を地獄の業火で灰にすること。悪に区別なんて必要ないんだから、
   警察の仕事を分ける必要なんてないのよ。
   ――――――それにね、私、ドラマの「相●」が好きなの』

  警視庁内の問題児と言っても過言ではない、年齢不詳の女警部。
  色んな部・課に出没するため鬱陶しがる人間もいるが、結構人気もあったりする。
  童顔にコンプレックスがあり、「ガキ」「子ども」というワードが地雷。
  性格にスイッチがあるようで、公私はくっきりかっちり分けるタイプ。
  犯罪者に容赦なし。

  あきぎ たつし
 ○秋木 竜志
  「……先輩、俺まだ辞表すっ飛ばして遺書は書きたくないっスから」

  水成詩夢の下に配属された新米刑事。階級は巡査。
  詩夢には振り回され気味で絶賛苦労症中。
  彼女の年齢不詳に"自分よりも年下"説の疑いを抱いているものの、
  それでも一応、詩夢のことは尊敬している。
  どこか抜けている(=バカ)気もするが、真っ直ぐな青年。

 ・特使捜査課
  「特別な任務をもった使者が捜査を行なう」という意味で命名された課。
  通称「特使」。
  現在は詩夢と竜志の2名しかいない。
  他の課からの応援要請や雑務などを受けて動くことが主な任務。
  たまに詩夢が独断で動くこともある。

 ※内容はあくまで警察内部に似せてあるだけなので、間違って使っている単語や
  設定なども混じっているかもしれませんが、ご了承ください。


5.未分類
  「俺×私シリーズ」、構想段階中だった話、夢にするはずだった話等、
  1~4には分類されない話が詰め込んであります。

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