月灯りの下
闇の世界に差し込む光を追い求めて
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「私の為に
死ねる?」
『何だよ、行き成り』
「私の為に死ねる?」
同じ事を繰り返す彼女の瞳は、寂しそうだった。
『死ねない』
「そっか・・・・・・うん、そうだよね、普通」
俯く彼女に思わずため息が零れる
『お前を残して、死ねない』
彼女は驚いたように目を見開いて、顔を上げた。
『お前を残して死ねない。もし、それで俺が死んで、
お前が後を追うって言うんなら、お前を死なせない為にも、死ねない』
「・・・・・・私が先に死んだら?」
『だから、死なせないって言ってるだろ。
第一、お前寂しがり屋なんだから、お前の為になんないだろ』
「何でそんなこと知ってるの?」と言いたげな顔をしている。
『お前の事なら、よく知ってるつもりだよ。一緒にいたんだから』
「・・・・・・それじゃあ、これからも、一緒に居てくれる?」
『あぁ、だから、死にたくなったり寂しくなったら、俺のところへ来い』
『分かったな』と命令を含んで訊いてやると、
俯いた彼女はコクリと頷いた。
顔をよく見えず、頬は濡れていたが、口元には笑みが浮かんでいた。
(止めてやるよ、お前の為に。満たしてやるよ、お前の為に。
そしてそれは、俺の為にも、な)
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月と君
「大きく見える月って近く感じるな。
でも、こんなに手を伸ばしているのに、届かない」
「ん~、そうかな?」
そう言って君は近くの川へと近付いて
「ほら、触っちゃったよ」
水面に映った月に優しく触れた
「それにね、ほら、手の中に入っちゃったよ」
今度は水を掬って、手のひらで月を抱いた
無邪気に笑う君を見て、月なんかよりも君の方が
よっぽど遠い存在になってしまったような気がした
「ほんとだな。でも、月って『冷たい』」
「夏になったら『気持ちいい』に変わるよ」
君の手の中の月を触れて愉しんだ
でも、こんなに手を伸ばしているのに、届かない」
「ん~、そうかな?」
そう言って君は近くの川へと近付いて
「ほら、触っちゃったよ」
水面に映った月に優しく触れた
「それにね、ほら、手の中に入っちゃったよ」
今度は水を掬って、手のひらで月を抱いた
無邪気に笑う君を見て、月なんかよりも君の方が
よっぽど遠い存在になってしまったような気がした
「ほんとだな。でも、月って『冷たい』」
「夏になったら『気持ちいい』に変わるよ」
君の手の中の月を触れて愉しんだ
ある鳥の話
籠の中に入れられていた鳥は思いました。
「空を自由に飛んでいる鳥はいいな」と。
籠の中の鳥は、大きな空と自由に憧れました。
この籠から出て、いつか自由に―――――
籠の中の鳥は願いが叶い、籠から出る事ができました。
しかし、ずっと飼いならされていた鳥は
生きていく術を知りませんでした。
ずっと恋焦がれていた自由
それは確実にその鳥の首を絞めていく鎖となりました。
籠の中で憧れた、自由と言う名のシアワセ
籠の中にいた時には気付かなかったシアワセ
それから鳥は鳥篭を求める鳥となりました。
「空を自由に飛んでいる鳥はいいな」と。
籠の中の鳥は、大きな空と自由に憧れました。
この籠から出て、いつか自由に―――――
籠の中の鳥は願いが叶い、籠から出る事ができました。
しかし、ずっと飼いならされていた鳥は
生きていく術を知りませんでした。
ずっと恋焦がれていた自由
それは確実にその鳥の首を絞めていく鎖となりました。
籠の中で憧れた、自由と言う名のシアワセ
籠の中にいた時には気付かなかったシアワセ
それから鳥は鳥篭を求める鳥となりました。
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