月灯りの下
闇の世界に差し込む光を追い求めて
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放課後の作業
夕日に染まる教室の中、
『お前、まだいたのか』
声のした方へ目を向けると、同じく夕日に染まった友人が立っていた。
『こんな時間まで何やってんだよ、拓人』
「そういう君こそ、今まで何処にいて何してたんだよ、騎暖」
どうやら彼女は帰るために荷物を取りに戻ってきたらしい彼女に問うた。
『いつもの場所で寝てた』
「いつもの場所って、屋上?寒くなかったの?」
『太陽の陽射しが暖かかったし、風も防ぐ場所あるし平気だ』
僕の席へ近付き、前の席の椅子に跨って座る彼女に溜息を吐く。
「地球温暖化の影響でいつもより温かいからってねー。風邪ひいたらどうするのさ。それに女の子がそんな座り方しちゃダメだろ」
『うるさい、そんなの俺の勝手だろ』
風邪はなったらなった時だ、と言いながら僕を睨んでくる。
何で僕は、午後の授業丸々無断欠席した人に怒られてるんだろう?
『で、何やってんだよ?』
「ほら、班で何か発表ってやつがあるでしょ?あれの準備だよ」
『……一人でか?』
「そ、一人でね」
僕たちの学校では総合の時間というものがあって、先生からお題が与えられ、それについて発表と言うか、ディベートをやることになっている。
班は最初に先生がくじかなんかで適当に決めたもの。
回ってくる順番も先生が決めている。
今度は僕の班にその順番が回ってきたのだ。
「みんなちゃんとやってくれないんだよ。そりゃめんどくさいけどさ、やらなきゃいけないんだし。それを何かに理由をつけてトンズラこいて!全部僕に任せていきやがったんだあいつ等は!!」
『……荒れてるな』
「そりゃ荒れたくもなるだろ?しかも今回の難しいんだよ」
『…………』
僕は溜息をつきながら机に突っ伏した。
頭がショートしかけた僕にとっては、机の冷たさが心地よかった。
騎暖は机と一体となった僕をじっと見ている。
……好きな子に見つめられると恥ずかしいわけで、
「あーあ、せめて騎暖と同じ班なら僕ももう少し楽しく出来ただろうな~」
照れ隠しに言ってみたものの、何か違っていた気がする。
『お前なぁ』
だって彼女の十中八九の呆れ声が帰ってきたんだから。
あ~、何か切ないな。
僕の気持ちっていつも一歩通行な気がしてならない。
僕は本気で真面目に言ってるんだけどな~。
『……しょうがないから俺も手伝ってやる』
「…………え?」
『だから、手伝ってやるって言ったんだよ』
「…………え?」
『バカにしてるのかお前は』
「いや、だって、騎暖もこういうのめんどくさがってやらなさそうだし、自分の班のも参加してないよね?」
別に彼女は勉強が嫌いとか、そういうわけではないらしい。
その代わり、人付き合いが嫌いと言うか、人そのものが嫌いな気がある。
そのせいなのかクラスの人たちとも絡まないもんだから、かなり浮いた存在だったりする。
このディベートだって、参加してるとは言えない状態だ。
その彼女が手伝ってくれるって?
『参加しねェよ。だって関わり合いたくねェもん』
「それはそれで問題だよ、騎暖」
とは言ったものの、嬉しかったりするわけで。
他の人たちとは関わりたくないけど、僕とは関わってくれている。
その事実だけで救われた気分になるから、僕は病気だなんて言われるんだ。
まぁ、気にしないけど。
『うるせー。いいからさっさとやって、適当に終わらせようぜ。帰りにアイス奢ってもらうんだからな』
「え!?ちょっと待った!!どっから出てきたの、そんな話!」
『手伝ってやるんだからいいだろ別に、そのぐらい』
「勝手に決めないでよ、もう」
じゃあ俺はこっちの資料まとめてやるよ。というか、まとめればいいんだろ?、と言って少し楽しそうな顔で勝手に作業を進めていく彼女を見てると、
「ま、いいか」
勝手に頬が緩んでしまう。
そんな自分に苦笑する。
今回はいつもより楽しく作業が出来そうだ。
『お前、まだいたのか』
声のした方へ目を向けると、同じく夕日に染まった友人が立っていた。
『こんな時間まで何やってんだよ、拓人』
「そういう君こそ、今まで何処にいて何してたんだよ、騎暖」
どうやら彼女は帰るために荷物を取りに戻ってきたらしい彼女に問うた。
『いつもの場所で寝てた』
「いつもの場所って、屋上?寒くなかったの?」
『太陽の陽射しが暖かかったし、風も防ぐ場所あるし平気だ』
僕の席へ近付き、前の席の椅子に跨って座る彼女に溜息を吐く。
「地球温暖化の影響でいつもより温かいからってねー。風邪ひいたらどうするのさ。それに女の子がそんな座り方しちゃダメだろ」
『うるさい、そんなの俺の勝手だろ』
風邪はなったらなった時だ、と言いながら僕を睨んでくる。
何で僕は、午後の授業丸々無断欠席した人に怒られてるんだろう?
『で、何やってんだよ?』
「ほら、班で何か発表ってやつがあるでしょ?あれの準備だよ」
『……一人でか?』
「そ、一人でね」
僕たちの学校では総合の時間というものがあって、先生からお題が与えられ、それについて発表と言うか、ディベートをやることになっている。
班は最初に先生がくじかなんかで適当に決めたもの。
回ってくる順番も先生が決めている。
今度は僕の班にその順番が回ってきたのだ。
「みんなちゃんとやってくれないんだよ。そりゃめんどくさいけどさ、やらなきゃいけないんだし。それを何かに理由をつけてトンズラこいて!全部僕に任せていきやがったんだあいつ等は!!」
『……荒れてるな』
「そりゃ荒れたくもなるだろ?しかも今回の難しいんだよ」
『…………』
僕は溜息をつきながら机に突っ伏した。
頭がショートしかけた僕にとっては、机の冷たさが心地よかった。
騎暖は机と一体となった僕をじっと見ている。
……好きな子に見つめられると恥ずかしいわけで、
「あーあ、せめて騎暖と同じ班なら僕ももう少し楽しく出来ただろうな~」
照れ隠しに言ってみたものの、何か違っていた気がする。
『お前なぁ』
だって彼女の十中八九の呆れ声が帰ってきたんだから。
あ~、何か切ないな。
僕の気持ちっていつも一歩通行な気がしてならない。
僕は本気で真面目に言ってるんだけどな~。
『……しょうがないから俺も手伝ってやる』
「…………え?」
『だから、手伝ってやるって言ったんだよ』
「…………え?」
『バカにしてるのかお前は』
「いや、だって、騎暖もこういうのめんどくさがってやらなさそうだし、自分の班のも参加してないよね?」
別に彼女は勉強が嫌いとか、そういうわけではないらしい。
その代わり、人付き合いが嫌いと言うか、人そのものが嫌いな気がある。
そのせいなのかクラスの人たちとも絡まないもんだから、かなり浮いた存在だったりする。
このディベートだって、参加してるとは言えない状態だ。
その彼女が手伝ってくれるって?
『参加しねェよ。だって関わり合いたくねェもん』
「それはそれで問題だよ、騎暖」
とは言ったものの、嬉しかったりするわけで。
他の人たちとは関わりたくないけど、僕とは関わってくれている。
その事実だけで救われた気分になるから、僕は病気だなんて言われるんだ。
まぁ、気にしないけど。
『うるせー。いいからさっさとやって、適当に終わらせようぜ。帰りにアイス奢ってもらうんだからな』
「え!?ちょっと待った!!どっから出てきたの、そんな話!」
『手伝ってやるんだからいいだろ別に、そのぐらい』
「勝手に決めないでよ、もう」
じゃあ俺はこっちの資料まとめてやるよ。というか、まとめればいいんだろ?、と言って少し楽しそうな顔で勝手に作業を進めていく彼女を見てると、
「ま、いいか」
勝手に頬が緩んでしまう。
そんな自分に苦笑する。
今回はいつもより楽しく作業が出来そうだ。
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どうも、渡月です。
とうとう遂に!『俺僕小説』の2人の名前が明らかに!!
やっぱりこっちの方が使い勝手がいいですね(笑)←
ということで、これからは名前付けてあげたいと思います。
……ネーミングセンス無いんでそこら辺は許してやってください。
居残り作業中の「僕」・拓人。
表には出しませんが、拓人は一人になるのが嫌いな子です。
そこら辺は『僕たちの出会い』『俺たちの出会い』
『僕たちの世界』の3部作読んでくだされば何となくわかるかと(宣伝!?)
その友人である『俺』・騎暖はそれを識っていて、
それでいて一人にしたくないという気持ちがあるんです。
騎暖の十中八九の呆れ声、残りの1、2割には照れが含まれています。←
騎暖も何だかんだと言って拓人が気に入っているんですねー。
シリアスからほのぼの担当の彼らですが、今回は頭からほのぼので行けたかな~
これからもこの2人にはこんな感じで行ってもらいます。
少しでもお付き合いいただけたら幸いです。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
どうも、渡月です。
とうとう遂に!『俺僕小説』の2人の名前が明らかに!!
やっぱりこっちの方が使い勝手がいいですね(笑)←
ということで、これからは名前付けてあげたいと思います。
……ネーミングセンス無いんでそこら辺は許してやってください。
居残り作業中の「僕」・拓人。
表には出しませんが、拓人は一人になるのが嫌いな子です。
そこら辺は『僕たちの出会い』『俺たちの出会い』
『僕たちの世界』の3部作読んでくだされば何となくわかるかと(宣伝!?)
その友人である『俺』・騎暖はそれを識っていて、
それでいて一人にしたくないという気持ちがあるんです。
騎暖の十中八九の呆れ声、残りの1、2割には照れが含まれています。←
騎暖も何だかんだと言って拓人が気に入っているんですねー。
シリアスからほのぼの担当の彼らですが、今回は頭からほのぼので行けたかな~
これからもこの2人にはこんな感じで行ってもらいます。
少しでもお付き合いいただけたら幸いです。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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