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月灯りの下

闇の世界に差し込む光を追い求めて

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彼の下に流れ行く雲

熱を持たない、冷たいフローリングの床に寝転がる。
窓の外に目をやると、昨日までの雨が嘘のような青空と白い雲たちが映る。
ぼうっと空を眺めていると、雲が風に流されていく様がよく分かる。


今、自分が眺めている雲は、風に流されて何処へ行くんだろう?


彼の下にも流されて、彼の目にも映るのだろうか?


映ったとしても、同じ形ではないかもしれないし、その可能性の方がかなり高い。
それならそれでもいいと思う。
まぁ形が変わってしまっては、どれが件の雲かなんて分からなくなってしまうという問題点は捨てきれないが、形が変わっていても、
『私が見ていた雲』という事実に変わりはない。

―――――私がその雲を見て、彼のことを想い考えていたことに変わりはないんだ。


ちゃんと空、見てるのかな。


そんなことを思いながら、瞼を閉じる。
胸に、記憶に、まだ残っている温もりを感じながら、
冷たい床に私の体温は奪われていった。


(私は、戻ってきたんだな。この冷たい、冷え切った私のセカイに)
(あぁ、冷たくて気持ちいい)
(やっぱり私は、暖かいセカイでは溶けてしまうみたいだ)
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