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月灯りの下

闇の世界に差し込む光を追い求めて

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『――――――ねぇ』

後ろから声を掛けられた。
誰だか何て声で分かる。

「な、」

振り向いた次には、

「に……」

勢いよく、抱きつかれていた。
というと語弊がある。
激突に近いものがあるかな、これは。

「え、ちょ、な、何!?どうしたの?いきなり」

びっくりした、と焦りながらも紡いだ僕の言葉を

『うるさい、黙れ』

理不尽な言葉で一蹴した。
僕の胸に顔を埋める彼女の表情は分からない。
泣いていないということも分かる。

けど、泣いてる。
外面的に、ではなく、内面的に―――――――――。

僕は片手を彼女の背中に、もう片方の手を彼女の頭に添える。

「よしよし」

そう言って、頭をポンポンと撫でる。

『……子ども扱いするな。喧嘩売ってるのか、お前』
「子ども扱いしてるつもりはないけど、でも、こうしてほしいんでしょ?」

撫でる手を止め問いかけた言葉に、彼女は肩を震わせることで返事をしてくれた。
普段、表に色々と出そうとしない彼女にしては、分かり易い反応だった。

『……負けるよ、お前には』
「こう見えても僕は、ずっと君を見てきたんだから」
『そういう恥ずかしい台詞を吐くところには絶対勝てないな』

諦めたような声で言う彼女に、胸を張って言ってやると、今度は呆れた声が返ってきた。
そんなに恥ずかしい台詞かな?

『……なんかさ』
「……うん」
『人恋しくなった』
「……うん、わかってる」

こういう僕にだけ見せてくれる弱った姿を、可愛いと思ってしまう僕はもう病的だ。
そしてそれを、嬉しいと思ってしまっている自分はかなり不謹慎な人間だろう。

『……誰かに会って何か話たいと思って』
「……うん」
『一番最初に頭に浮かんだのは………

お前の顔だった』


「……うん、それは、光栄だな」

あぁ、何が[そういう恥ずかしい台詞を吐くところには絶対勝てないな]だよ。

『……だから、』

君の台詞も十分

『今日はずっと俺と一緒にいろ』

う れ し い
恥ずかしい台詞、だよ

僕は彼女の肩を掴んで、身体から離させる。

「わかったよ、お姫様の仰せのままに」
『だ、誰が[お姫様]だ!このバカ!!』

そういった君の顔は真っ赤だっただろう。
夕日が邪魔して、真意を確かめられなかったけど、僕にはみんな分かってるから。

「はいはい、口の悪いお姫様だ」

そう、僕にはみんな分かってる

『うるさい!お前に関係ないだろ!』

だから隠さなくても、いいからね

「関係あるよ。今僕と話してるじゃないか」

僕は君が好きなんだから、君の全てが好きなんだから

『ッ関係ない!!ていうか、その笑顔をやめろッ!!』

だから、僕の前では

「無理。君の態度があまりにも可愛いから」

強がらなくて、いいから

『~~~~~ッ!!お前って奴は……ッ!!』

だから心行くまで

「アハハハハ」

甘えていいよ


――――――――――僕でいいと、君が言ってくれるのなら

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


またもやってしまった感全開な『俺僕シリーズ』
最後のモノローグは何だ;!!

人恋しくなった時に、ふと縋り付きたくなる存在
それを失くしたくないと言うように、思いっきりタックルをかます『俺』

それでも、それを全て見透かしたように受け止める「僕」

こういう関係って憧れます←

みなさんも人恋しくなる時ってありますよね?
そういう時こそ、いつもと変わらない接し方が暖かい、と思ってます。

「僕」も『俺』の人恋しさを少しでも和らげるために、憎まれ口を叩いてる……
[いつもと変わらない関係]というのが一番心地いいと思ったから、いつも表に出せない『俺』にその世界をつくった。

『俺』にとって「僕」=『俺』の世界

でも、「僕」も好きな『俺』がいてくれる世界が心地いい。
つまり、『俺』=「僕」の世界

そういうふうに見れるといいなと思います。
……と言いつつ自分が何言いたいのか分からなくなってきてしまいましたが、
雰囲気だけでも伝わっていれば幸いです(笑)


それでは、毎度つまらない話にお付き合いいただき、有難うございます。
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