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月灯りの下

闇の世界に差し込む光を追い求めて

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むかしむかしのことでした。

『むか~しむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました』

「……」

『おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出掛けて行きました』

「………」

『おばあさんが川で洗濯をしていると、川の向こうから何かが流れてきます』

「…………」

『なんとそれは大きな大きな桃でした。おばあさんがそれを拾おうと腰を上げました』

「……………」

『おばあさんは誰にも見られてないか確認するために周りを見渡し、後ろを振り返ると―――――』

「………………」

『そこには、斧を振り上げるおじいさんの姿が』

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!

『……おばあさんが最期に見たのはおじいさんの鬼のような形相、おばあさんが最期に聞いたのは自分の断末魔でした』

おしまい、と言って話を終わらせる俺の友人。
っていうか、こんな話した後でも腹立つほどケロッとしてるなぁオイ

「ちょ、お前!!何でそんな平気な顔してるの!?それに何があったのその、夫婦に!!?」

『きっと行き違いがあったんだよ。長年一緒にいると嫌な所ばかり目立つし』

「お前はいくつだ!!……ってあれ?長年一緒にいると?」

『あぁ、最近お前のそのバカさ加減に嫌気がさして――――――』

「俺おばあさんッ!!?」

ああバカだよ!!?確かにバカだけどね!!迷惑も掛けてるけどね!!
だけどさー、

俺、お前に殺意を芽生えさせるほど何かしたっけ?

『……ちなみに、結局拾われなかった桃太郎は鬼に拾われ、鬼と共に世界征服を遂げる』

「無視!!?俺そんなに何かした!!?(泣)ってか、桃太郎がラスボスに君臨すんの!?

『郷に入っては郷に従え』

「そういう問題!!?何だよ、そのむちゃくちゃな話は!!」

『俺にふったのはお前だろうが』

文句を言うな、と睨んでくる友人。
確かに、俺が言ったさ。
いっつも本読んでるし、ミステリとかサスペンスとか好きだしさー。
だから、「昔話を使った怖い話って創れたりする?」って訊いたよ?
訊いたけどさー、

リアルすぎね?よくあるよね?そういう話。身近で起こってもおかしくないような話だよね?

最初は何の変哲もない昔話だったのに、徐々に本当の姿を現してくところが何とも……
しかも、話してる本人は表情一つ変えずに話すもんだから、どこから怖くなっていくのか想像もつかない。
それが倍怖い。

『安心しろ。川で洗濯するようなばあさんも、山へ芝刈りに行くようなじいさんもいないから』

「あぁ、そっかー。そうだよなー……って、そういう問題じゃぁなーーーーーい!!!」

『うっさいなー』といいつつ、席から立ち上がり教室から出て行く。

「あ、オイ!!ちょっと待って!!こんな教室にひとりにしないでェッ!!!」

夕日で赤く染まった教室にひとり取り残された俺は、急いで友人の後を追った。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


またやってきましたこのコンビ
このコンビは結構好きだったりします(笑)


昔話と思いきや、箱を開ければそこにはホラー
外国の話って本当は怖かったー、っていう話ばかりですよね~
僕ああいうの大好きなんですが(オイ)
日本の話って、ああいう感じの話はないんですかね?
何が悪いことなのか、何をしちゃいけないのか、っていうのを教えるために、
最後が怖い感じになってる話はありますが、本当は怖い話だったんだよ~
っていうのがないなぁと思いまして。

と言っても、僕が思い付くような話は毎度のことながらベタベタですが;


話は変わりますが、みなさんは怖い話、苦手ですか?
僕は平気だし、どっちかというと興味もある方です。
まぁ、何かと免疫もありますし(笑)←

だから、こういう怖い話は苦手な人にするのが大好きで大好きでv(コラ)
むっちゃ怖がる人の反応は楽しいし、可愛いし、楽しいし←


もう少しグロイ感じにして「」の子を怖がらせようかと思いましたが、避けました。
来てくださってる方たちの中にダメな人がいるとダメかな~、と思いまして。
最初に注意書き出すとオチ分かっちゃうと思ったんで、出せませんでしたし;
……これぐらいなら大丈夫ですよね?


今回も長々グダグダとやっちゃいましたが、お付き合いありがとうございました!
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